「BOOMPALA」の元ネタは、ロス・デル・リオが1993年に発表した「Macarena(恋のマカレナ)」です。
LE SSERAFIMは原曲のリズムとメロディー、象徴的な振り付けを、ラテンハウスとK-POPの群舞へ組み替えました。
ただし「BOOMPALA」は「Boom」とラテン音楽を合わせた言葉ではなく、般若心経に着想を得た前向きな唱え言葉として作られた造語です。
【3秒でわかる「BOOMPALA」のポイント】
- 元ネタ・原曲: ロス・デル・リオ「Macarena」。1993年の原曲と、世界的ブームを決定づけた1995年のBayside Boys Mixを押さえると分かりやすい
- タイトルの意味: 「ブンパラ」と読む辞書にない造語。恐れや不安を手放し、考え方をよい方向へ切り替えるための唱え言葉
- 楽曲・ダンス: 「Macarena」のリズム、メロディー、象徴的な手の動きを、ラテンハウスのビートとLE SSERAFIMらしいフォーメーションへ更新している
LE SSERAFIM「BOOMPALA」の元ネタは90年代名曲「Macarena」
原曲は1993年、世界的ヒットは1995年のBayside Boys Mix
「BOOMPALA」の元ネタは、スペインのデュオ、ロス・デル・リオによる「Macarena」です。日本では「恋のマカレナ」の邦題でも知られています。
曲としての原点は1993年のスペイン語版ですが、多くの人が思い浮かべるダンスビートと英語パートを含むバージョンは、1995年に発表された「Macarena(Bayside Boys Mix)」です。このバージョンは1996年にBillboard Hot 100で14週連続1位を記録し、決まった振り付けを大勢で踊る世界的なブームを生みました。
そのため「BOOMPALA」を聴いて「以前どこかで聴いた」と感じるのは偶然ではありません。LE SSERAFIMは、90年代を代表するリズムとメロディーを明確に取り込んでいます。
クレジットにも残る、公式なサンプリング
「BOOMPALA」の楽曲クレジットには、「Macarena」を書いたアントニオ・ロメロ・モンヘとラファエル・ルイス・ペルディゴネスの名前が記載されています。単に雰囲気が似ているのではなく、公式に原曲とのつながりを持つ作品です。
一部の音楽メディアでは「インターポレーション」とも表記されていますが、メンバーのインタビューやSOURCE MUSIC提供の日本向けリリース記事では「サンプリング」と説明されています。「BOOMPALA」の元ネタを知りたい場合は、「Macarena」をサンプリングした曲と理解して問題ありません。
造語「BOOMPALA(ブンパラ)」の意味と歌詞の和訳
般若心経から生まれた、恐れを手放す唱え言葉
「BOOMPALA」の公式な読み方は「ブンパラ」です。辞書に載っている英単語やスペイン語ではなく、曲のために作られた言葉です。
「Boom」とラテン音楽やアフロビーツを組み合わせた語、と説明したくなる響きですが、その語源は公式には確認されていません。確認できるのは、般若心経に着想を得た造語であり、繰り返すことで気持ちを切り替える唱え言葉として使われていることです。
歌詞には、雲や水、空っぽの状態を示すイメージが登場します。つかみ続けられるものはなく、何も永遠ではないのなら、恐れだけを抱え込む必要もない。そう視点を反転させる言葉として「BOOMPALA」が繰り返されます。
サビの和訳は「不安を手放し、今を楽しもう」
「BOOMPALA」自体に一語で対応する日本語訳はありません。サビ全体の意味を自然な日本語にすると、「不安や心配を抱え込まず、今この瞬間に身体を預けよう。何も永遠ではないから、恐れ続ける必要もない」というメッセージになります。
曲中に取り込まれた「Macarena」の短いスペイン語フレーズ “Dale a tu cuerpo alegría, Macarena” は、「マカレナ、身体に喜びを与えて」という意味です。自己愛、瞑想、手放すことを歌う「BOOMPALA」と並ぶことで、原曲の“身体を喜ばせる”という言葉が、悩みから抜け出す合図へ変わって聞こえます。
つまり、この曲の和訳で中心になるのは「感情を爆発させる」ことよりも、恐れを実体のあるものだと思い込まず、身体を動かして執着をほどくことです。
ラテンハウスが「Macarena」を懐メロから引き戻す
「BOOMPALA」は「Macarena」の有名な部分を置くだけのカバーではありません。反復する唱え言葉をハウスのビートに重ね、短いフレーズが次々と身体を押し出すラテンハウスとして再構築しています。
ここで受け継がれたのは、メロディー以上に初めて聴いた人でも途中から参加できる仕組みです。「Macarena」は決まった動きを共有することで、言語の壁を越えました。「BOOMPALA」も、覚えやすい言葉と真似しやすい振り付けを一体にし、観客を曲の外側に置きません。
Y2Kという言葉だけでまとめるより、90年代の“みんなで同じ動きをするポップ”を2026年のK-POPへ再起動した曲と見る方が、このサンプリングの狙いは伝わりやすいでしょう。懐かしい音を借りたのではなく、知らない者同士まで踊らせた仕組みを借りている。そこが「BOOMPALA」のいちばん鋭い更新です。
MVと振り付けに受け継がれたマカレナ・ダンス
サウナの相談所から、悩みを吹き飛ばす祝祭へ
公式MVは、悩みを抱えたメンバーがサウナにある相談所を訪ねる場面から始まります。相談役のキム・チェウォンを中心に「BOOMPALA」の精神が広がり、日常のストレスを抱えた人々まで巻き込むパレードのような祝祭へ展開します。
カラフルなCGや少し奇妙なキャラクターを重ねた映像は、悩みを深刻な顔で分析し続けるのではなく、視点を変えて外へ動き出す歌詞とつながっています。MVは「恐れは幻かもしれない」という抽象的な考えを、街全体が踊り始める変化として見せているのです。
象徴的な手の動きを、5人のフォーメーションへ
振り付けには、腕を前へ出し、肩や頭、腰へと手を移していく「マカレナ・ダンス」の代表的な動きが取り入れられています。カズハも、原曲の有名な振り付けをそのままパフォーマンスへ溶け込ませたため、誰でも一緒に踊れると説明しています。
ただし、5人が同じ動きをするだけではありません。視線の向き、立ち位置の入れ替え、隊列の広がりを加えることで、一人でも踊れる90年代の定番ダンスを、LE SSERAFIMらしい集団表現へ変えています。このMVは、説明するより先に身体で曲の意味を伝えてきます。
「FEARLESS 2.0」で、恐れは踊って手放すものへ
「BOOMPALA」は、2026年5月22日にリリースされた2nd Studio Album『PUREFLOW pt.1』のタイトル曲です。「PUREFLOW」は「POWERFUL」のアナグラムで、アルバムはデビュー以来の“恐れない”という姿勢を「恐れを知ったからこそ強くなれる」へ進めています。
初期のLE SSERAFIMが恐れに正面から対抗していたとすれば、「BOOMPALA」は恐れを見つめたうえで、それが自分を縛る絶対的な現実なのかを問い直します。答えは難しい理屈ではなく、唱え言葉とダンスです。
世界中が知る「Macarena」を選んだ理由も、ここにつながります。恐れを一人で克服するのではなく、同じ動きをする人が増えるほど気持ちが軽くなる。「BOOMPALA」は、懐かしいパーティーチューンを引用しながら、LE SSERAFIMの“強さ”を孤独な自己宣言から、みんなで動く連帯へ広げた曲です。
「FEARLESS」から「BOOMPALA」までの変化をたどると、LE SSERAFIMが同じ“強さ”を作品ごとにどう更新してきたのかが、さらに立体的に見えてきます。

