12年越しの「Repeat It」|マーティン・ギャリックス×エド・シーランMV解説

Martin Garrix & Ed Sheeran「Repeat It」は、もともと「Rewind Repeat It」として知られていた長年未リリースのコラボ曲です。
2014年に制作され、2015年にフェスで披露された楽曲が、12年越しに正式公開されたことで、曲そのものに“時間を巻き戻す”意味が重なっています。
この記事では、MVで描かれる時間表現、歌詞のテーマ、EDMとエド・シーランらしいメロディの交差点を解説します。

目次

「Repeat It」は12年越しに届いたコラボ曲

「Repeat It」の大きなポイントは、単なる新曲ではなく、長く待たれてきた未発表曲が正式に形になった作品ということです。

この曲は、Martin GarrixとEd Sheeranによるコラボレーションとして2014年ごろから存在が知られ、当初は「Rewind Repeat It」というタイトルでも語られてきました。

2015年にはMartin Garrixのライブセットで披露され、EDMファンの間では“いつ出るのか”と待たれ続けてきた楽曲でもあります。

そのため「Repeat It」というタイトルは、単に「繰り返す」という意味だけではなく、過去の記憶、未完成だった時間、もう一度戻りたい瞬間まで含んで響いてきます。

長く洋楽を聴いてきた耳には、この曲の面白さは“新しさ”だけではなく、2010年代のEDMの熱量が2026年のポップソングとして戻ってきたところにあります。

MVで描かれるのは、過去と現在を行き来する感覚

「Repeat It」のMVは、曲名に含まれる“repeat”や、旧タイトルにあった“rewind”の感覚と相性のいい映像になっています。

ポイントは、過去と現在が重なるような見せ方です。

楽曲の背景を知ってからMVを見ると、映像の中の時間表現はかなり自然に意味を持ちます。

  • 12年前に生まれた曲が、今になって公開されたこと
  • かつて未発表だった曲が、現在の2人によって再び動き出したこと
  • “もう一度あの瞬間を繰り返したい”という歌詞の感情

この3つが、MVの空気と重なっています。

派手なストーリーで説明しきるというより、時間の経過そのものを曲の一部にしている印象です。今見返すと、MVは恋愛の記憶だけでなく、2人のアーティストが長い年月を経て再び同じ曲に向き合う姿にも見えてきます。

エド・シーランの歌声が、EDMを“人の温度”に近づけている

Martin Garrixのプロダクションは、フェスで鳴る大きさを持ちながら、今回はEd Sheeranの声を中心に置いたポップ寄りのバランスになっています。

EDMの高揚感はあるものの、音が前に出すぎず、エドのメロディと歌詞の情緒を支える形です。

この組み合わせが面白いのは、2人の得意分野がかなり違うところにあります。

Martin Garrixは、大きな空間で鳴るダンスミュージックの設計が得意なプロデューサー。
一方のEd Sheeranは、声、メロディ、言葉の距離感でリスナーを引き込むタイプのシンガーソングライターです。

「Repeat It」では、その2つがぶつかるというより、互いに少しずつ歩み寄っています。

EDMとして聴けばメロディックでロマンチック。
エド・シーランの曲として聴けば、いつもより広い空間へ開かれている。
この中間地点こそが、この曲の個性です。

歌詞のテーマは“戻れない時間を、もう一度なぞること”

タイトルの「Repeat It」は、日本語にすると「それを繰り返す」「もう一度やる」という意味です。

ただし、この曲では単純に同じことを繰り返すというより、忘れたくない瞬間をもう一度味わいたいという感情に近く響きます。

恋愛の歌として聴くと、過去の夜、誰かと過ごした時間、まだ終わってほしくない感覚が中心にあります。

「rewind」という言葉のニュアンスも重要です。

“rewind”は、映像や音楽を巻き戻すときに使われる言葉です。
そこには、過去に戻ることはできないけれど、記憶の中では何度も再生してしまう、という切なさがあります。

この曲の歌詞は、強い悲しみをぶつけるというより、幸せだった瞬間を手放したくない気持ちを、ダンスビートの上で明るく浮かび上がらせています。

2010年代EDMを知っている人ほど刺さる理由

「Repeat It」は2026年の曲でありながら、背景には2010年代のEDMシーンの空気があります。

当時のEDMは、フェスのメインステージで大きなシンセが鳴り、観客全体が同じサビで一気に持ち上がるようなスケール感がありました。

Martin Garrixはその時代を象徴する存在の一人であり、Ed Sheeranは同じ時代にポップシーンの中心へ駆け上がったアーティストです。

だからこそ、この2人のコラボが12年越しに公開されたことには、単なるリリース以上の意味があります。

長く洋楽を追ってきた人には、この曲の音から“あの時代のEDMの明るさ”が少し立ち上がってくるはずです。ただし、完全な懐かしさだけに寄せず、2026年のポップとして聴きやすく整理されているところが、この曲を今のリスナーにも届きやすくしています。

「Repeat It」はどんな人におすすめ?

「Repeat It」は、次のような人に特におすすめです。

  • Martin GarrixのメロディックなEDMが好きな人
  • Ed Sheeranのロマンチックな歌詞やメロディが好きな人
  • 2010年代EDMの高揚感をもう一度味わいたい人
  • 明るいのに少し切ないダンス・ポップを聴きたい人
  • 曲の背景やリリースまでの物語込みで楽しみたい人

この曲は、爆発的なドロップで押し切るタイプではありません。

むしろ、エドの声が作る親密さと、Martin Garrixの音が作る広がりが、少しずつ重なっていく曲です。

夜のドライブや、気分を上げたいけれど騒がしすぎる曲は避けたいときにも合います。

12年という時間が、曲そのものの余韻になっている

「Repeat It」は、曲だけを聴いてもロマンチックなEDMポップとして楽しめます。

でも、この曲が2014年に生まれ、2015年に披露され、長い時間を経て正式に届いたことを知ると、聴こえ方は少し変わります。

“もう一度繰り返したい瞬間”を歌う曲が、実際に長い年月を越えてもう一度リスナーの前に現れた。

その背景があるからこそ、MVの時間表現も、歌詞の切なさも、ただの演出ではなく曲の歴史と重なって見えてきます。

Martin Garrixの大きなサウンドと、Ed Sheeranの人懐っこいメロディ。その2つが12年越しに交わる「Repeat It」は、待たされた時間まで含めて味わいたい一曲です。

エド・シーランの名曲・MV解説もあわせてチェック

「Repeat It」で聴ける親密な歌声やメロディに惹かれた方は、エド・シーランの代表曲やMV解説もあわせて読むと、彼のソングライターとしての魅力がより分かりやすくなります。

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この記事を書いた人

洋楽とミュージックビデオを約30年にわたり楽しんできました。ポップ、R&B、ロック、EDMを中心に、時代ごとのヒット曲やアーティストの代表曲、ミュージックビデオの表現を追いかけています。

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