「Can’t Remember to Forget You」の意味は?シャキーラ×リアーナMVで描く危うい未練

Shakira ft. Rihanna「Can’t Remember to Forget You」は、2014年にリリースされたShakiraのアルバム『Shakira』からのリードシングルです。
タイトルは直訳すると「あなたを忘れることを思い出せない」という意味で、忘れるべき相手なのに、結局また惹かれてしまう危うい未練を描いています。
Joseph Kahn監督によるMVでは、シャキーラとリアーナの存在感が、恋の中毒性を視覚的にも強く印象づけています。

目次

「Can’t Remember to Forget You」の意味は、忘れたいのに忘れられない恋

「Can’t Remember to Forget You」というタイトルの面白さは、言葉の中に矛盾があることです。

普通なら「あなたを忘れられない」と言えば済むところを、この曲では“あなたを忘れることを、思い出せない”という少し回りくどい言い方をしています。

この表現によって、単なる未練ではなく、頭では分かっているのに同じ恋を繰り返してしまう感情が浮かび上がります。

相手が自分にとって良くない存在だと分かっている。
それでも、良かった記憶や身体が覚えている感覚だけが残ってしまう。

この曲の恋愛は、甘いラブソングというより、危険だと分かっている関係から抜け出せない歌として聴くと分かりやすいです。

シャキーラとリアーナの声が作る、危うい引力

この曲の大きな聴きどころは、ShakiraとRihannaという2人の声の質感が、同じテーマをまったく違う角度から響かせている点です。

シャキーラの声には、ラテンポップらしいしなやかさと、少し切迫した熱があります。
一方のリアーナは、力を入れすぎずに感情をにじませるタイプで、恋に振り回される弱さよりも、分かっていて戻ってしまう余裕のようなものを感じさせます。

2人の声が重なることで、この曲は「別れたいのに別れられない」という一方的な苦しさだけではなく、その恋にまだ魅力が残っているからこそ厄介なのだと伝わってきます。

長く洋楽を聴いてきた耳には、この曲の面白さはコラボの豪華さだけではなく、2人の声が持つ温度差にあるように感じられます。

レゲエロックとポップの混ざり方が、未練を軽く聴かせる

「Can’t Remember to Forget You」は、ポップロックを軸にしながら、レゲエやスカの跳ねるリズム感も取り入れた楽曲です。

イントロから軽やかなギターの刻みがあり、サビではロック寄りの厚みが出てきます。
歌詞のテーマだけを見ると重くなりそうですが、サウンドは思ったよりも明るく、身体が自然に揺れる作りになっています。

この明るさが、曲のテーマとよく合っています。

本当に忘れたいだけなら、もっと暗いバラードにもできたはずです。
でもこの曲は、忘れたい相手をまだ魅力的に見てしまう感情を、軽快なリズムで描いています。

だからこそ、聴いている側も「これは良くない恋だ」と分かりながら、曲そのものの中毒性に引き込まれてしまいます。

MVは官能性だけでなく、抜け出せない関係を映している

Joseph Kahnが監督したMVは、ロサンゼルスの邸宅を舞台に、シャキーラとリアーナの強い存在感を前面に出した映像になっています。

ベッド、壁際のダンス、煙草、ギター、艶やかな衣装。
一つひとつの場面はかなりスタイリッシュで、視覚的なインパクトも強いです。

ただ、このMVを単にセクシーな映像として見るだけでは少しもったいないです。

閉じた空間の中で、2人が身体を寄せ合い、視線や動きで感情を見せていく構成は、歌詞にある「抜け出したいのに戻ってしまう関係」と重なります。

派手なストーリーを説明するMVではなく、恋の記憶が身体に残っている感覚を、色気と距離感で見せるMVとして見ると、この映像の強さがより伝わります。

今見返すと、2010年代前半のポップスターMVらしい大胆さと、2人のキャラクターの強さがそのまま閉じ込められているように感じます。

2014年のポップシーンでこのコラボが持っていた意味

この曲は2014年1月13日にリリースされ、Shakiraのセルフタイトルアルバム『Shakira』のリードシングルとして登場しました。
また、アメリカのBillboard Hot 100では最高15位を記録しています。

当時のShakiraは、ラテンポップ、ロック、ダンス、ワールドワイドなポップの要素を自在に行き来する存在でした。
そこにRihannaが加わることで、曲はさらにグローバルなポップソングとしての強度を増しています。

Rihannaの参加は、単なる客演というより、曲のテーマにもう一つの人格を与えているようにも聴こえます。
同じ「忘れられない恋」を歌っていても、シャキーラは情熱的に、リアーナは少しクールに響く。

この対比があるから、曲全体が一人の感情に閉じず、複数の女性の視点から見た危うい恋のように広がっていきます。

今聴き返すと、派手さの奥にある弱さが響く

「Can’t Remember to Forget You」は、シャキーラとリアーナの豪華コラボ、印象的なMV、ポップロックとレゲエの混ざったサウンドなど、入口になる要素がとても多い曲です。

でも、最後に残るのは意外にも、華やかさよりも弱さかもしれません。

忘れたい。
でも、忘れることを思い出せない。

この少しねじれたタイトルの感覚は、恋愛だけでなく、過去の自分からなかなか離れられない感情にも重なります。

MVの強いビジュアルから入っても、歌詞の意味を知ってから聴き返しても楽しめる曲です。
シャキーラとリアーナという2人のポップスターが、ただ並んだだけではなく、危うい未練をそれぞれの声と表情で引き受けているところに、この曲が今も記憶に残る理由があります。

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この記事を書いた人

洋楽とミュージックビデオを約30年にわたり楽しんできました。ポップ、R&B、ロック、EDMを中心に、時代ごとのヒット曲やアーティストの代表曲、ミュージックビデオの表現を追いかけています。

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