サブリナ・カーペンター「Alien」MV解説 | 恋の曖昧さと浮遊感を読む

Sabrina Carpenter「Alien」は、Jonas Blueとのコラボで生まれた、恋が始まりそうなのに確信が持てない感情を描く1曲です。
軽やかなダンスポップなのに、心の中は少し落ち着かない。そのギャップが、この曲の歌詞とMVをいっそう印象的にしています。
この記事では「Alien」の歌詞の意味、MVの見どころ、そして2018年のサブリナにとってこの曲がどんな立ち位置にあるのかをやさしく解説します。

目次

「Alien」が歌うのは、好きなのに答えが見えない時間

この曲の中心にあるのは、相手を好きかもしれないのに、その関係が友情なのか恋なのか見極められない不安です。

タイトルの「Alien」は、宇宙的なモチーフを前面に出した言葉というより、自分でもうまく説明できない違和感や未知の感情を表しているように聴けます。気持ちが高まっているのに、同時に距離感もつかめない。その落ち着かなさが、この曲のいちばん大きな魅力です。

甘いラブソングというより、恋の入口で立ち止まってしまう瞬間を切り取った曲なので、恋愛のきらびやかさだけではなく、迷いや気まずさまで含めて描いているのが印象的です。

Jonas Blueとの組み合わせが、曲の浮遊感を強くしている

「Alien」が心地よく耳に残る理由のひとつは、Jonas Blueらしいなめらかなダンス寄りのサウンドにあります。

ビートは軽やかで、全体の質感も明るすぎません。サブリナのやわらかい歌声が乗ることで、前向きに弾けるというより、ふわっと浮いているのに心はざわつくという独特の空気が生まれています。

この曲は、派手に押し切るタイプのポップソングではありません。むしろ、感情の輪郭がまだぼやけている状態を、そのままサウンドで支えているのが上手です。恋愛の確信ではなく、恋愛の手前にある不安定さを音で表現しているからこそ、「Alien」という言葉が自然に響きます。

MVは“頭の中で迷う感じ”を映像にしたような仕上がり

このMVはロンドンで撮影され、無機質で少し現実感の薄いムードが強く印象に残ります。

明るさを抑えた空間や、人物を近くで切り取るショット、不安と静けさが同居するような画づくりによって、曲の中にある「相手の気持ちが分からないまま考えすぎてしまう感じ」が視覚的にも伝わってきます。派手なストーリーを押し出すというより、気分や心理の揺れを雰囲気で見せるMVとして受け取ると、とても相性がいい映像です。

タイトル通りのSF的な世界観を大きく広げるというより、恋愛の中で生まれる異物感や孤立感を、少し冷たく、少し幻想的に見せているのがこのMVの見どころです。

2018年のサブリナを知るうえでも見逃せない1曲

サブリナ・カーペンターの楽曲をあとからたどる人にとっても、「Alien」はけっこう大事な1曲です。

後年の彼女は、より強いキャラクター性やユーモア、言葉のキレで注目されるようになりますが、「Alien」にはその前段階ともいえる繊細さとポップ感のバランスがあります。若い時期のサブリナが持っていた透明感と、そこから先の変化につながる洗練の両方を感じやすい曲です。

しかも今回はJonas Blueとのコラボなので、サブリナ単独曲とは少し違う角度から魅力が引き出されているのもポイントです。ソロ曲より少し俯瞰で感情を眺めるような距離感があって、それがこの曲のクールさにつながっています。

今のサブリナからさかのぼって聴くと面白い理由

最近のヒット曲からサブリナを好きになった人が「Alien」を聴くと、いまの彼女とはまた違う魅力に気づけるはずです。

はっきり言い切る強さよりも、まだ気持ちが揺れている時間に寄り添うような歌い方。きらびやかに見せ切るより、感情の曖昧さを残したまま進むポップ感。そうした部分に、この曲ならではの良さがあります。

「Alien」は、サブリナの派手な代表曲を探している人には少し静かに映るかもしれません。でも、歌詞の意味とMVの空気感を一緒に味わうと、じわっと残るタイプの良曲です。サブリナの変化をたどりたい人にも、Jonas Blue系の浮遊感あるポップが好きな人にも、ぜひ一度MV込みで見返してほしい1曲です。

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