女性たちが主役になる「Girls Like You」|マルーン5MVの見どころ

Maroon 5「Girls Like You」は、2017年のアルバム『Red Pill Blues』収録曲をベースに、Cardi B参加版で大きく広がったポップソングです。
MVではAdam Levineの周囲に多彩な女性たちが次々と登場し、恋愛ソングを女性へのリスペクトがにじむ映像作品へ広げているのが最大の見どころです。

目次

「Girls Like You」は“君みたいな女性”を求めるラブソング

タイトルの「Girls Like You」は、直訳すると「君みたいな女の子たち」ですが、曲の中ではかなり親密なニュアンスで響きます。

単に「女性一般」を歌っているというより、語り手が「自分には、君のような人が必要なんだ」と伝えているラブソングとして聴くと分かりやすいです。

ポイントは、派手な言葉で愛を叫ぶのではなく、軽やかなメロディの中で、少し不器用な依存や甘さをにじませているところです。明るい曲調なのに、どこか「戻ってきてほしい」「そばにいてほしい」という弱さも感じられます。

MVの主役はAdam Levineではなく、入れ替わって現れる女性たち

このMVでまず印象に残るのは、Adam Levineを中心にカメラが円を描くように回り、そのたびに違う女性が登場する構成です。

出演者には、Camila Cabello、Jennifer Lopez、Gal Gadot、Ellen DeGeneres、Mary J. Blige、Aly Raisman、Millie Bobby Brown、Tiffany Haddishなど、音楽、映画、スポーツ、コメディ、社会活動など幅広い分野の女性たちが登場します。

この演出によって、MVはただの豪華ゲスト集ではなく、いろいろな生き方をしている女性たちが、同じ画面の中で等しく存在感を放つ映像になっています。

Adam Levineは中央にいますが、映像の記憶を作っているのは、むしろ次々と現れる女性たちです。ここが「Girls Like You」という曲名と強くつながっています。

Cardi Bの参加で、甘いポップソングに強さが加わった

Cardi Bの客演は、この曲を単なるやさしい恋愛ポップで終わらせない大きな要素です。

Maroon 5のパートは、親しみやすく、少し甘えたような恋愛感情を前に出しています。一方でCardi Bのラップが入ることで、曲に自信、強さ、現代的なテンポ感が加わります。

ここで面白いのは、Cardi Bが曲の雰囲気を壊していないことです。強いラップを入れながらも、全体の柔らかいポップ感は保たれていて、恋愛ソングとしての聴きやすさと、女性側の存在感の両方が残っています。

MVで黄色いジャケット姿のCardi Bが登場する場面も、映像全体の中で視線を引きつけるアクセントになっています。

円形カメラワークが“ひとつの場所に集まる感覚”を作っている

「Girls Like You」のMVは、ワンカットのように見える円形のカメラワークが大きな特徴です。

カメラがAdam Levineの周囲を回るたびに、新しい人物が現れるため、視聴者は「次は誰が出てくるんだろう」と自然に見続けてしまいます。

この仕掛けがうまいのは、出演者をただ並べるのではなく、同じ空間に少しずつ招き入れていくように見せているところです。

終盤でBehati Prinslooと娘のDusty Roseが登場する場面は、華やかなゲストの流れの先に、家族や身近な愛情を置く構成にも見えます。大きなポップカルチャーの祝祭から、最後に個人的な愛へ戻ってくる流れがきれいです。

2018年の大ヒットとして押さえたい実績

「Girls Like You」は、Maroon 5のキャリアの中でも特に大きなヒットとして知られる曲です。

Cardi B参加版は2018年にシングルとして広がり、Billboard Hot 100で1位を獲得しました。さらに、第61回グラミー賞ではBest Pop Duo/Group Performanceにもノミネートされています。

この実績が示しているのは、曲そのものの聴きやすさだけでなく、MVの拡散力、Cardi Bの存在感、そして「女性たちが次々と登場する」という映像コンセプトが、当時のポップシーンにうまく響いたということです。

ただキャッチーなだけではなく、映像の話題性が曲の印象を押し上げたタイプのヒットと言えます。

音の心地よさは、軽さと覚えやすさにある

サウンド面では、重すぎないビートと、耳に残りやすいメロディが中心です。

Maroon 5らしいポップロックの軽さがありつつ、ダンスフロア向けに振り切るというより、日常のBGMとして流しやすいバランスになっています。

だからこそ、MVの華やかさと組み合わさっても、曲が映像に負けません。むしろ、シンプルな曲だからこそ、出演者の表情やカメラワークが前に出やすくなっています。

ドライブ中、部屋で流すとき、気分を少し明るくしたいときにちょうどいい温度感のポップソングです。

今聴くと、やさしさと肯定感のバランスが残る

「Girls Like You」は、強烈なドラマや難しいメッセージで引っ張る曲ではありません。

けれど、やわらかい恋愛感情、Cardi Bの強さ、そしてMVに登場する女性たちの多様な存在感が重なることで、聴き終わったあとに明るい余韻が残ります。

特にMV込みで見ると、この曲は「君みたいな人が必要」という個人的なラブソングでありながら、いろいろな女性たちを肯定するポップな映像作品としても楽しめます。

軽やかで、華やかで、少しロマンチック。Maroon 5の親しみやすさが、最も広い形で伝わる1曲です。

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この記事を書いた人

洋楽とミュージックビデオを約30年にわたり楽しんできました。ポップ、R&B、ロック、EDMを中心に、時代ごとのヒット曲やアーティストの代表曲、ミュージックビデオの表現を追いかけています。

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