「Counting Stars」は、眠れない夜に羊を数えるかわりに、夢や可能性を数えるような感覚を歌った曲として受け取れます。
OneRepublicのMVでは、古い建物の下階で鳴るバンド演奏と、上階で進む集会のような場面が重なり、現実の重さと抜け出したい衝動が同時に映ります。
明るく跳ねる曲なのに、歌詞の奥には生活の不安がある。そのズレが、この曲をただの爽快なポップソングで終わらせていません。
「Counting Stars」の意味は、現実を逃げることではなく見方を変えること
曲名の「Counting Stars」は、直訳すれば「星を数える」という意味です。
ただ、この曲では単に夜空を眺めるロマンチックな言葉というより、お金や現実的な不安ばかりを数える状態から、まだ手にしていない夢や希望へ意識を向ける比喩として響きます。
歌詞では、生活、欲望、信仰、野心のような言葉が混ざり合います。だから「前向きな曲」とだけ言い切るより、現実に追われながらも、そこから目線を上げようとする曲と見る方が自然です。
サビが大きく開けるぶん、言葉の中にある不安も消えるのではなく、勢いで押し返されていくように聴こえます。
不安を跳ね返す、フォーク由来のリズム
「Counting Stars」の強さは、サビのメロディだけではありません。
アコースティックな刻みから始まり、足踏みのようなリズムが前へ出てくることで、曲全体に走り出す感覚が生まれています。ポップロックの大きなサビに向かう一方で、土っぽいフォークの動きも残っているため、きれいに整えられたポップソングというより、体が先に押し出される曲になっています。
Ryan Tedderは、この曲の出発点にフォーク的な動きがあったことを語っており、最終的な録音にも独特の楽器感が加わっています。
その背景を知ると、サビの高揚感も少し違って聴こえます。単に派手に盛り上げるのではなく、地面を蹴るようなリズムがあるから、夢を語る言葉が浮つかずに届きます。
古い建物の上下で進むMVの緊張
MVでは、OneRepublicが古い建物の下階で演奏し、その上階では人々が集まる場面が進んでいきます。
映像の面白さは、曲の明るさに対して、画面がどこか閉じた空間として作られていることです。広い空や街へ抜けていくのではなく、壁や床に囲まれた場所で演奏が続くため、歌詞にある現実の圧迫感が画面にも残ります。
一方で、バンドの演奏はどんどん熱を帯びていきます。
このMVは、自由を直接見せるのではなく、自由になりたい状態を建物の中に閉じ込めているようにも見えます。だからこそ、サビで音が開けるたびに、画面の狭さと曲の広がりがぶつかります。
代表曲として残ったのは、サビの明るさだけではない
「Counting Stars」は、OneRepublicの代表曲として語られることが多い曲です。
その理由は、単に覚えやすいサビがあるからだけではありません。夢を追う気持ちと、お金や生活への不安が同じ曲の中にあるため、明るく聴いても、少し苦く聴いても成立します。
この曲には、次のような対比があります。
- お金を数える現実と、星を数える想像力
- 閉じた空間のMVと、外へ飛び出すようなサビ
- フォークの土っぽさと、ポップロックの大きな開放感
この対比があるから、曲は軽くなりすぎません。
明るいメロディの中に、焦りや迷いが混ざっている。そこが、時間が経っても再生ボタンを押し直したくなる引力になっています。
OneRepublicの入口として聴きやすい一曲
OneRepublicは、壮大なメロディとポップロックの聴きやすさを結びつけるのがうまいバンドです。
「Counting Stars」では、その特徴がかなり分かりやすい形で出ています。サビは大きく、リズムは前に進み、歌詞は日常の不安から夢へと視線を移していく。初めてOneRepublicを聴く人にとっても、バンドの魅力をつかみやすい曲です。
同時に、きれいな応援歌としてだけ聴かせないところも重要です。
夢を見ることを肯定しながら、その前にある生活の重さも消さない。そこに、この曲の強さがあります。
「Counting Stars」でOneRepublicの大きなサビと前へ進むリズムに惹かれた人は、他の代表曲を並べて聴くと、バンドが描いてきた高揚感の違いも見えやすくなります。

