Calvin Harris ft. HAIM「Pray to God」は、ダンスミュージックの高揚感に、HAIMらしいコーラスと少し神秘的なムードを重ねた楽曲です。
MVでは雪原、野生動物、静かに立つHAIMの姿が印象的に映し出され、クラブ向けのハウス曲でありながら、映画のワンシーンのような余韻を残します。
【Calvin Harris:カルヴィン・ハリス】
生年月日:1984年1月17日
出身:スコットランド・ダンフリース
特徴:世界的に知られるDJ/音楽プロデューサー
【HAIM:ハイム】
出身:アメリカ・ロサンゼルス
特徴:Este、Danielle、Alanaの三姉妹によるバンド
「Pray to God」は祈りというより、戻れない恋への切迫感が強い
タイトルの「Pray to God」は、直訳すると「神に祈る」という意味です。
ただし、この曲で響いてくるのは宗教的な祈りというより、どうにもならない感情を抱えたときの最後の願いに近いニュアンスです。
恋愛の熱が冷めかけているのに、まだ相手を完全には手放せない。その苦しさが、Calvin Harrisらしい大きなビートの上で、HAIMの声によって少し冷たく、少し切実に表現されています。
明るく突き抜けるというより、夜のドライブでふと胸に残るタイプのダンスソングです。
HAIMのコーラスが、ハウスサウンドに人間味を足している
Calvin Harrisのサウンドは、整理されたビート、太いシンセ、フロアで映える展開が魅力です。
一方で「Pray to God」は、そこにHAIMの三姉妹らしい声の重なりが入ることで、単なるクラブトラックとは違う温度を持っています。
特に面白いのは、曲全体が大きく盛り上がっても、ボーカルの印象が過度に派手になりすぎないところです。
- ビートはダンサブル
- メロディはポップ
- 声の重なりは少し神秘的
- 歌詞の感情は切ない
このバランスがあるから、踊れるのにどこか寂しい、Calvin Harrisの中でも少し異色の質感になっています。
MVで印象に残るのは、雪原・野生動物・動かないHAIM
「Pray to God」のMVは、派手なダンスやクラブ演出で押し切る映像ではありません。
印象に残るのは、雪に覆われた山の風景、狼や熊、鷹、ライオンといった野生動物、そしてその中で静かに存在感を放つHAIMの姿です。
この映像は、曲の中にある「祈り」「切迫感」「自然の大きさ」を視覚的に広げているようにも見えます。
特にHAIMが大きく動き回るのではなく、堂々と立っている場面が多いことで、MV全体に不思議な緊張感が生まれています。ダンスミュージックなのに、映像はかなり静的。この対比が、このMVを記憶に残りやすくしています。
『Motion』の中で、この曲が少し特別に聴こえる理由
「Pray to God」は、Calvin Harrisのアルバム『Motion』に収録された楽曲です。
『Motion』には、Ellie Goulding、John Newman、Gwen Stefani、Big Seanなど、さまざまなアーティストとのコラボ曲が並んでいます。
その中で「Pray to God」は、HAIMの個性がかなり前に出ている曲として聴くことができます。
Calvin Harrisのビートが主役でありながら、HAIMのバンド的な空気、少し乾いたコーラス、ロック寄りの佇まいが曲の印象を決めているからです。
EDMの曲として聴いても気持ちいい。でも、HAIMの曲として聴いても自然に入ってくる。この二面性が「Pray to God」の面白さです。
英語表現としての「Pray to God」が効いている
「pray to God」という表現は、強く願う、どうかそうであってほしいと祈る、という気持ちを含みます。
曲名だけを見ると壮大な印象がありますが、歌の中で感じられるのはもっと個人的な感情です。
相手との関係、自分の迷い、終わりそうなものへの未練。そうした感情が、タイトルの言葉に集約されています。
だからこの曲は、ただ「祈る」というより、もう自分ではコントロールできない恋を、それでもどうにかしたいと願う曲として聴くと入りやすいです。
Calvin Harrisの華やかさとHAIMの冷たさがぶつかる一曲
「Pray to God」は、Calvin Harrisの代表的な大ヒット曲のように一瞬で爆発するタイプではありません。
けれど、ビートの強さ、HAIMの声、雪原を舞台にしたMVが合わさることで、じわじわ記憶に残る曲になっています。
クラブで流れる高揚感だけでなく、少し冷たい空気や、祈るような恋の余韻を味わいたいときにぴったりです。
Calvin Harrisの他の楽曲も聴き比べると、彼が客演アーティストごとにどれだけ曲の表情を変えているかが見えてきます。


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