Calvin Harris ft. Example「We’ll Be Coming Back」は、2012年にリリースされたEDMトラックです。
タイトルの直訳は「僕たちは戻ってくる」。ただしこの曲で印象的なのは、前向きな約束というより、**戻れない時間への未練と、それでも走り続ける高揚感**が同時に鳴っているところです。
「We’ll Be Coming Back」が描くのは、戻れない時間への未練
「We’ll Be Coming Back」というタイトルは、シンプルに訳せば「また戻ってくる」という意味です。
ただ、この曲の空気はただ明るい再同時に会の歌ではありません。過去のある瞬間を思い返しながら、「あの感覚にもう一度戻れるのか」と問いかけるような切なさがあります。
Calvin Harrisらしい大きなEDMサウンドの中に、Exampleの少しざらついた声が入ることで、ただのパーティーソングではなくなっています。
– 楽しかった時間を思い出す
– でも、その時間はもう遠くなっている
– それでもまた戻りたいと思ってしまう
この感情の揺れが、曲全体の疾走感とよく重なっています。
2012年のEDMポップらしい、ギター導入からサビへ跳ねる構成
「We’ll Be Coming Back」は、Calvin Harrisのアルバム『18 Months』に収録された楽曲です。
曲の入り口では、メロディックなギターの響きが印象的です。そこから徐々にビートが強まり、サビではシンセが一気に前へ出てくる構成になっています。
この流れがとても2010年代前半のEDMらしいポイントです。
静かな導入で感情を作り、サビで大きく解放する。そのため、クラブでもフェスでも映える一方で、歌としての切なさも残ります。
Calvin Harrisの楽曲は、音の強さだけで押し切るのではなく、ポップソングとして口ずさめるフックを作るのがうまいです。この曲も押し切るのではなく、ポップソングとして口ずさめるフックを作まさにそのタイプで、EDMの高揚感と歌ものとしての聴きやすさが両立しています。
MVは“強盗の逃走劇”として曲の疾走感を映像化している
MVでは、Calvin HarrisとExampleが強盗のような役どころで登場します。
映像は、車、バイク、追跡、奪われたものをめぐる駆け引きで構成されていて、曲のスピード感をそのままアクション映画のように見せています。
このMVで面白いのは、歌詞の「戻ってくる」という感覚が、物語の中でも視覚化されているところです。
一度埋めたものを取り戻しに戻る。
しかし、すでに誰かに先を越されている。
この展開は、過去の時間や失った感覚を取り戻そうとしても、完全には同じ場所に戻れないという曲の切なさとも重なります。
ただ派手な車が出てくるMVではなく、**戻りたいのに戻れない感覚を、逃走劇として見せている**ところが、この曲ならではの見どころです。
Exampleの声が、ただの爽快なEDMにしない理由
この曲では、Exampleのボーカルがかなり重要です。
Calvin Harrisのサウンドはきらびやかで、サビに向かって一気に開けていきます。一方で、Exampleの声には少し硬さや影があり、そこが曲の未練っぽさを強めています。
もしボーカルがもっと軽く甘い声だったら、曲全体はもっとシンプルな爽快ソングに聞こえたかもしれません。
でもExampleが歌うことで、「楽しい」「戻りたい」「でももう遠い」という感情が同時に立ち上がります。
このバランスがあるから、ドライブで流したくなる疾走感がありながら、夜に聴くと少し胸に残る曲にもなっています。
チャート実績から見える、Calvin Harris黄金期の勢い
「We’ll Be Coming Back」は、UKシングルチャートで最高2位を記録しました。
この時期のCalvin Harrisは、『18 Months』周辺の楽曲で、EDMをクラブミュージックの枠からポップチャートの中心へ押し上げていた存在です。
「We Found Love」「Feel So Close」「Sweet Nothing」などと並べて聴くと、この時代のCalvin Harrisがどれだけ強いメロディと大きなサウンドを作っていたかがよく分かります。
「We’ll Be Coming Back」は、その中でも少し男っぽく、映画的で、逃げるようなスピード感を持った1曲です。
明るく跳ねるというより、走りながら過去を振り返るような曲。そこが、他の代表曲とは違う個性になっています。
今聴き返すと、映像と音の“2010年代感”が心地いい
今あらためて「We’ll Be Coming Back」を聴くと、2010年代前半のEDMポップの空気がかなり濃く感じられます。
大きなシンセ、伸びるボーカル、サビで一気に開ける構成。そしてMVの車やバイクを使った派手な映像演出。
どれも当時のダンスミュージックの勢いを感じさせます。
でもこの曲は、ただ懐かしいだけではありません。戻れない時間を思いながら、それでも前へ進むような感情があるので、今聴いてもちゃんと刺さります。
テンションを上げたいときにも、少し過去を思い出したい夜にも合う。そんな二面性が、「We’ll Be Coming Back」を長く聴ける曲にしているのだと思います。
Calvin Harrisの他の代表曲も聴くなら
「We’ll Be Coming Back」でCalvin Harrisの疾走感あるEDMサウンドに惹かれた人は、他の代表曲もあわせて聴くと、彼の音楽性の広さがより分かります。
ポップ寄りの曲、フェス映えする曲、客演ボーカルが光る曲まで、Calvin HarrisのMVには2010年代ダンスミュージックの魅力が詰まっています。


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