Maroon 5「What Lovers Do ft. SZA」は、恋人同士になる直前の駆け引きを、軽やかなダンスポップとして描いた楽曲です。
SZAとの掛け合いが生む余裕のあるムードと、現実離れしたMVのファンタジー感が、この曲の大きな見どころです。
「What Lovers Do」はどんな意味の曲?
「What Lovers Do」は直訳すると「恋人たちがすること」という意味です。
ただし、この曲で描かれているのは、すでに安定した恋人関係というよりも、相手の気持ちを探りながら距離を縮めていく恋のゲーム感です。
歌詞では、相手に本気なのか、遊びなのか、気持ちをはっきりさせたい語り手のテンションが続きます。重たいラブソングではなく、少し強気で、少し甘えていて、でも本音では「ちゃんとこっちを見てほしい」と思っているような曲です。
Maroon 5らしい明るいポップ感に、SZAの柔らかく余裕のある歌声が加わることで、恋の駆け引きがかなり軽やかに聴こえます。
SZAの参加で生まれた、甘さと余裕のバランス
この曲は、Maroon 5 featuring SZA名義でリリースされた楽曲です。
Maroon 5は、キャッチーなメロディをポップに届ける力が強いバンドですが、「What Lovers Do」ではそこにSZAのR&B的なニュアンスが加わっています。
Adam Levineの声は、まっすぐで少し焦っているようにも聞こえる一方、SZAのパートには落ち着きと余裕があります。この対比があることで、曲全体がただ明るいだけではなく、追う側とかわす側のような恋愛の温度差を感じさせます。
そのため、歌詞の内容はシンプルでも、男女の掛け合いとして聴くと立体感があります。
元ネタとして知っておきたい「Sexual」とのつながり
「What Lovers Do」は、NEIKED featuring Dyoの「Sexual」を一部取り入れた楽曲としても知られています。
この要素があることで、曲には最初からどこか耳なじみのよいグルーヴがあります。完全に重たいR&Bへ寄るのではなく、夏の終わりやドライブにも合うような、軽いダンス感があるのも特徴です。
音の印象としては、次のような要素が目立ちます。
- 跳ねるようなビート
- 繰り返し聴きやすいメロディ
- 甘さを出しすぎないボーカルの掛け合い
- ポップとR&Bの中間にある軽快さ
つまりこの曲は、Maroon 5のポップな親しみやすさと、SZAのR&B的な空気感を、かなり聴きやすい形でつないだ1曲です。
MVは“恋の追いかけっこ”を大げさなファンタジーで見せる
MVでは、Adam LevineとSZAがさまざまな場所で追いかけ合うように描かれます。
草原、雪の世界、海、カジノ、ラスベガスのような街並みなど、場面は次々と変わっていきます。リアルな恋愛ドラマというより、CGを使ったファンタジー映画のような見せ方です。
この大げさな映像表現は、歌詞の「恋の駆け引き」をそのまま映像化しているようにも見えます。
相手を追いかける。
近づいたと思ったら、また離れる。
ゲームのように勝ち負けが入れ替わる。
MVのコミカルで非現実的な展開は、恋愛の不安や本気度の探り合いを、重くならない形で見せているところが面白いです。
チャート実績から見る、この曲の立ち位置
「What Lovers Do」は、Maroon 5のアルバム『Red Pill Blues』期を代表するシングルのひとつです。
Billboard Hot 100ではトップ10入りを果たし、Maroon 5にとっては長く続くヒットメイカーとしての強さを改めて示す曲になりました。また、SZAにとってもポップチャート上で広く知られるきっかけのひとつとして見られる楽曲です。
特に注目したいのは、Maroon 5が単にバンドサウンドだけで勝負するのではなく、その時代のR&Bやポップの流れを取り込みながら、聴きやすい形に整えている点です。
「What Lovers Do」は、ロックバンドとしてのMaroon 5というより、2010年代後半のポップシーンに適応したMaroon 5を感じられる曲です。
英語表現として面白い“what lovers do”
“What lovers do”という言い方は、かなり曖昧です。
具体的に何をするのかをはっきり言わず、「恋人同士ならすること」という言い方にしているため、聴く人によって少し想像の余地が残ります。
この曖昧さが、曲の遊び心にもつながっています。
はっきり「愛している」と言い切る曲ではなく、「じゃあ、恋人同士みたいにしてみる?」という距離感に近い雰囲気があります。だからこそ、曲全体に軽さがあり、甘すぎず、少しセクシーで、でもポップに聴けるバランスになっています。
今聴き返すなら、MVの明るさとSZAの声に注目したい
「What Lovers Do」は、深刻な恋愛ソングというより、恋の始まりにある駆け引きや高揚感を楽しむ曲です。
SZAの声が入ることで、Maroon 5のポップな明るさに少し大人っぽい陰影が加わり、MVではその恋のゲーム感がコミカルで派手な映像として広がっていきます。
軽く聴けるのに、意外と歌詞の距離感はリアル。
明るいMVなのに、恋愛の主導権争いも見えてくる。
そのバランスこそが、「What Lovers Do」をただの明るいポップソングで終わらせないポイントです。気分を上げたいときや、少しおしゃれな洋楽ポップを流したいときに、今でも自然にハマる1曲です。

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